大人アトピーの治療方法

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療には、「薬物療法」「スキンケア」「原因・悪化因子の除去」の3本柱があります。
薬物療法
アトピー性皮膚炎の治療において、最も大切なことは、薬による治療です。適切に正しく薬を使うことで、症状を早く改善して、良い状態を維持することは可能です。 現在、アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドの塗り薬と、ステロイド以外の免疫調節外用薬タクロリムス(プロトピック)があります。この2つは、効果や安全性が科学的に評価されており、日本皮膚科学会でも基本外用薬として推奨されていますので、安心・安全です。 ステロイドの塗り薬には、「最強」「とても強い」「強い」「弱め」「弱い」という5段階のランクがあり、それぞれの皮膚の症状の種類や重症度、炎症が起きている場所、患者さんの年齢などを考慮した上で、適切なランクの薬が選択されます。顔面は、吸収が良いので原則として「弱め」クラス以下を使用する決まりになっています。 アトピー性皮膚炎治療の外用薬は、適量を、患部全体を覆うように塗り拡げます。すり込むように塗るのではなく、塗り薬を「乗せる」ように、皮膚全体を覆うように塗り拡げます。擦らないように丁寧に優しくがモットーです。 患部にステロイド薬を塗った後、亜鉛華単軟膏を布に伸ばしたものを貼って、包帯で巻くのも有効ですが、医師の指示にしたがったほうが良いです。 一般に、症状が悪化した時は、ステロイドの塗り薬を1日2回塗って、早く軽快させ、1日1回の使用に切り替えるか、免疫抑制外用薬に変更したりします。 免疫抑制外用薬は、ステロイドとは作用機序の異なる抗炎症薬で、ステロイドでよくみられる皮膚を薄くするなどの副作用もほとんどないため、顔や首によく使われています。効果は、ステロイドの塗り薬の「強い」クラスと同じ程度で、どちらの塗り薬を使うか、どのように組み合わせて使えば良いかは、医師がそれぞれの皮膚の状態をよく見て判断してくれます。 他に、かゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に内服することもあります。
スキンケア
ステロイドの塗り薬や免疫抑制外用薬で、炎症が治まった後も、2~3日おきに、塗り薬を使ったり、炎症の再発を予防するために、スキンケアは行う必要があります。 入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ち、白色ワセリンや、ヘパリン類似物質外用薬(ヒルドイドソフト)などの保湿剤を入浴後に塗り、皮膚から洗い流された皮脂膜を補う必要があります。皮膚炎が軽くなっている時でも、保湿剤の外用は続けて、調子のよい状態を保つようにすることが大切です。
悪化要因の除去
アトピー性皮膚炎は、薬物療法と、スキンケアを正しく行うことで、ほとんどの場合、症状をコントロールすることができるのです。しかし、それでも症状の改善がみられない場合は、症状の原因となっているものや悪化させる可能性があるものを探し出し、それを取り除くことも必要なことです。 食物に加え、汗、ダニ、ほこり、ペットの毛などの生活環境、細菌・真菌なども主な悪化要因と考えられるので、生活環境を整えたり、皮膚を清潔に保つことで、できる限り悪化要因を取り除くようにしましょう。 また、明らかに、「これを食べると皮膚炎の症状が悪化した」とわかる食物については、食事からできるだけ取り除くようにしてください。しかし、原因の確定には、専門の医師による注意深い検査が必要ですので、自己判断で安易に食物を制限したりしないようにしてください。 また、ストレスも症状を悪化させる原因のひとつです。特に、成人のアトピー性皮膚炎の患者さんは、心理的ストレスから、「かゆくないのに掻く」のが癖になってしまい、そのために、症状が悪化してしまったという例をよく耳にします。このような場合は、心理的アプローチを含めた治療をしてくれることもあります。